大工さんの経験値

自宅の周りは小中学校に囲まれています。

夏休みに入ったのに、梅雨があけず、肌寒い7月22日(金)。

今日は天井の板を張り合わせていく作業が行われました。

下地の合板に杉板を張っていく作業ですが、合板になにやら黒い線が

引いてあります。

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これは?と訪ねたところ、杉板がそのうち痩せてきたとき、隙間が見える

ようになるけど、下地に黒く色を塗っておけば目立たないため、とのこと。

なるほど、木が痩せたときのことを考慮し、予め施しているとは、なかなか

気づかないことです。

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メーカー直の新築専門の大工さんは、支給された材を組み合わせていくので、こういう事はあまり気づかないんだけど、リフォーム大工は色んな現場で経験を積んでいるから、細かいところとか、将来どうなるかを予測しながら施工できるし、その分、単価も違うんだよね~と、一服中の会話。

言われた通りのことをするより、色んな現場でその都度異なる条件で試行錯誤しながら作り上げることができるのとでは、どの世界でも同じことですが、経験値に雲泥の差が生じ、結果仕事が回ってくることにつながります。

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聞くところによると、大工さんは、左官屋、畳屋と共に、職人が減少しているそうで、20代の大工さんは全国で2000人しかいないとのこと。定年がないため、年金をもらってる現役の大工さんも多く、若い人のステージが広がらないのも原因の一つだろうと話していました。また、見習いになっても、長続きせず、鳶さんになったり、転職してしまうため、定着率も悪いそうです。クロス屋さんは半年もすれば一人前になって独立できるけど、大工は最低3~5年はかかり、その間に技術もさることながら、色んな仕事の段取りを覚え、効率よく、他の業者さんにも適切な指示を出せるようになってくるけど、そこまで頑張って耐える若者が少ないそうです。

 

段取りという話から、建前の棟上げで柱を組み合わせていくためにクレーンを使いますが、クレーン操作する業者さんの中には、クレーン操作する者には大工さんの下で1~2年弟子入りさせ、大工仕事の段取りを覚えさせてから、クレーン操作を任せるところもあるそうです。そうすることで、トラックに柱を積んで、降ろす時も、棟上げの順番通りにクレーンで降ろすことができるようになるからとのこと。思わず大きく頷いてしまいました。

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さて、本日は四畳半と六畳間の天井に杉板を張り終えました。

次回は板を黒く塗り、釘を打ったところに桟を張りつけて天井は完成となります。