木は痩せる
2016年7月13日、工事3日目。
昨日までであらかたの解体工事が終わり、木工事が始まりました。
いよいよ、大工さんの本領発揮の仕事です!!
まずは、レイアウト上、今まであった柱を抜くので、梁を補強する
ために、3.5寸の新たな柱を入れます。
微妙な厚みをノミで削り、ぴったりの幅に揃え、レザーを使い
水平と垂直を見ながら柱を取り付け。
床が抜けているところは、断熱材を入れて、構造合板で塞ぎます。
合板用の木ネジは、板の中までググッと入るすぐれもの。
こんな木ネジがあるんですね。ツリーハウスづくりに参考と
なりました。
その後、天井づくりで、垂木をクロスさせ、合板を貼り合わせる作業。
合板を互い違いに貼るのは、木が暴れるのを少しでも防ぐことを
考えてのこととのこと。さすがプロ。
天井の合板を貼る前に、梁などに締め付けてあるボルトとナットの
緩みを見て頂きましたところ、あちこちでナットが結構緩んでいて、
締め直して頂きました。
スプリングナットだったから良かったけど、これが普通のナットだったら
ガタガタだったねと、大工さん。
ここまでリフォームしないと、気付かないっていうのも、何だか怖いこと
ですね。
これまで、地震や近くで大規模開発があったせいで、ナットが
緩んでしまったのですかね?と訪ねたら、いや、木が痩せたから
とのこと。
25年間、日本の四季を繰り返しているうちに、木はゆっくりと、
確実に痩せていきます。大工さんに言われ、ふと、林学を専攻した
大学時代の授業で、そんなことを学んだなと、心の中で苦笑いしました。
解体2日目。部屋は木の匂いが充満してます。
7月12日。解体2日目。今朝は、練馬インターから環八を使わない裏道を昨日教えたので、東松山からの作業メンバー一行は7時45分に着。あまりの速さに、びっくりです。
解体工事を担当するのは、施工を依頼したアリュメールの社長のY氏と、山形で大工を営みながら、アリュメールの支店となっているアリュメール山形の代表のT氏のお二人。今回、施工費を低く抑える策として、職人を他で手当てするのではなく、支店の代表で大工さんであるT氏に手伝ってもらうこととしました。このため、社長のY氏は、工事の2日前に山形まで車で向かい、拉致してきたとのこと。作業の仕切りは大工さんのT氏が主導していますが、なんとも愉快なかけあいをしながら、分担して作業を進めて頂いています。
本日の作業は、六畳間の屋根や物置の解体とエアコンの取り外し、台所のシステムキッチンと四畳半との境にある壁の取り外し。山形から拉致されてやってきたT氏。東京はじっとり湿っていて暑いと大汗をかきながら、システムキッチンの中に潜り、水道やガスを止めるなど、大工仕事ではまずしない作業もしています。「言われたら、断らないのがダメなんだよな~」とぼやいたとき、社長のY氏が、「以前、作業を手伝ってもらうため、山形から呼び寄せた時に、最初に指示した作業は、トラックのオイル交換だった」とか。結構ムチャぶりされても、いやがるそぶりせず、仕方ね~な~と言いながら作業するのは、お互いの信頼関係によるものですね。
そんなこんなで、2日目の作業は終了しました。
夜、ドアを締め切り、静まり返った部屋に入ってみると、梁や柱など、構造材がむき出しになったことにより、あたり一面、木の香りが充満していました。新築当時もこんなに木の香りはしなかったと思います。きっと、壁や天井、床などは、クロスや接着剤を使って作ったフローリング、石膏ボードに薄い板を張り合わせた天井など、新建材に囲まれていたからなんだと、改めて気づきました。
いよいよ解体工事
平成26年7月11日。関係ないけど長女の25歳の誕生日にいよいよ工事がスタートしました。
【四畳半の部屋】
【六畳間の部屋】
実は、家の前の下水道も25年ぶりにこの度、付け替えなおすということで、7月15日から来年の2月まで工事を行うことが最近、判明。8月15日以降、本格的な下水道工事が行われるため、家の前にトラックを入れるころが出来なくなるということ。
本当は夏を過ぎてからカフェづくりを始めようと思っていたのですが、下水道工事が本格化する前に大きな物を出し入れしないとならなくなり、家の前で試し堀り試験が行われる7月14日までに、急きょ、一次工事として、部屋の解体と一部の木工事、物品の搬入を行うこととなりました。
解体1日目は、10時から始まり、午後3時まで、四畳半の天井、押し入れ、壁、床を外し、六畳間の天井と一壁の一部を剥がしたところで終了。沢山の釘を使ってかなりしっかり作られているらしく、解体して頂いた大工さんも、ま、家をつくる時は、解体することなんて考えず、頑丈に作ることを前提につくるんだから、当たり前っちゃ、当たり前なんだけど~と、苦笑いしていました。25年前、親子の大工さんが二人で建てていたことを思い出しました。
【四畳半の部屋】
【六畳間の部屋】
【端材】
それにしても、解体はあっという間に進むので、
25年刻んだ記憶もあっという間に無くなってしまい、
寂しいような、ワクワクするような、複雑な気持ちでした。
さて、明日は2日目。解体作業は完了する予定です。
カフェの設計
今回、最もこだわりたいアイテムは、薪ストーブ。
そこで、埼玉の活動地の隣町の東松山市で薪ストーブ屋さんを
営んでいて、以前から色々とお世話になっている、
アリュメールさん に相談したところ、社長さんが設計も大工工事も
請け負うということで、お願いすることにしました。
基本的には、六畳間と四畳半の部屋の押し入れをつぶして部屋を
広げ、キッチンと四畳半の部屋を対面でカウンターを置くという仕様。
4月に大工さんを連れて見に来ていただき、創造を膨らませながら
打ち合わせを行った結果、古民家風なカフェにすることに決定。
【現況】
【プラン】
【六畳間(南側と西側)】
【四畳半【北側と東側)】
それに、1階のトイレを改装します。
また、駐車場となっているガレージも、コンクリートを
て土を入れ、里山チックな植栽を施すほか、ブロック塀も
撤去して生垣を施したガーデンにすることとしました。
50歳の挑戦。仕事を辞めて、自宅で薪ストーブのあるカフェを作る。
はじめまして。
世田谷のとある住宅街の一角。両親が60年前に購入し、自分が25年前に建て替えた小さな二世帯住宅の1階。両親の他界後が何も使われていなかった空き室を地域に開くことができないかとずっと考え続けておりましたが、この度、50歳を機に27年間勤めた超安定した職場を退職し、自宅を改装したカフェを作ることにしました。
自分、里山の自然に関心が高いため、ボランティアで雑木林の保全活動をしていて、3年前から埼玉県の吉見町にある、笹薮となって不法投棄されていた林を再生する活動を仲間とはじめ、里山保全活動とツリーハウスづくりを行って楽しんでいます。
でも、里山の若返りのために木を切っても、利用しなければ意味がありません。昔は薪や炭は燃料としてなくてはならない物だったのですが、ガスや電気・石油に変わってしまった今では、必要なくなってしまったことで、山の管理がされなくなり、いつの間にかうっそうとした荒れた森になり、色んなものが不法投棄されるところになってしまいました。
福島原発事故を契機に、太陽光や地熱など、持続可能で安全・安心な自然エネルギーへの関心が高まっていて、そのうちの一つである、木質バイオマスエネルギーも期待が高まっています。環境に関心が高い、30代~40代のファミリー層では、購入した自宅に薪ストーブを入れる方が増えています。でも、どうやって薪を手に入れるかで頭を悩ませている薪ストーブユーザーの方も多くいます。
そんな話をあちこちで伺っているうち、里山の自然を守るためには、木の経済価値を高めることと、多くに人が暮らす都会でこそ、日々の暮らしで消費することが一番だということに気づきました。そして、すでに世田谷をはじめ、都会で実践している人も徐々に増えています。
両親が暮らしていた空間を改装し、古民家風で、薪ストーブがあり、自然やエコな暮らしに関する図書がある。そんな自宅を改装したカフェづくりのストーリーを紹介します。
里山、自然、、緑、エコ、持続可能、安全・安心、環境教育、食育、健康、地域コミュニティなどについて、関心のある方が覗いて下さり、仲間になって頂けたらうれしく思います。