長押(なげし)の用途
7月27日(火)。
昨日は床が張り終わりました。裸足で歩くと、なんともよい感触。なんか、居酒屋や旅館みたいで、土足で使用するのがもったいない感じもしてきます
掘りごたつの周りもとても雰囲気よく出来上がりました。
今日は、長押と化粧柱張りの作業です。
日本建築では必ずある長押ですが、最近では、めっきり造ることがなくなり、久しぶりの作業だとか。
板目の模様は上方向に向かっているようにする。長押の角は模様が出来るだけ合うように仕上げる、など、色々と決まりがあるそうです。
長押って、何のために?と尋ねたところ、昔は敵の襲撃に備え、長刀などや石を置いたから、という答え。床の間の棚は9尺なんだけど、それも敵の首を置くことを想定した高さだとか。以外な話で驚いてしまいました。長押については、柱の縦方向に対し、横に渡すことで強度を増すという理由もあります。なるほど、古い古民家や、お金をかけている日本建築の長押は、上から触っても指は入りません。
我が家は、在来の木造建築で有名なSの家さんが建てましたが、長押は指が入る、いわゆる装飾的なものでした。今回、古民家風カフェのリフォームでは、Sさんの家以上に在来工法の匠の技が随所に生かされています。
続いて、化粧柱の取り付け。
要所要所に今まであった柱に装飾用の化粧柱をつけていきます。見える柱すべてに取り付けるのではなく、アクセントをつけるのが見栄えが良くなります。
徐々に古民家風カフェの容貌が明らかになりつつあり、ワクワクしています。
明日はどんな作業を行うのでしょう。
床張り作業
7月25日(月)、今週はいよいよ床板張りからスタートしまりました。
まずは、板を張り合わせる際、杉板の端っこを重ね合わせるために「しゃくり」という削る作業から。板の反り具合を見て、表と裏を確認しながら進めていきます。
昔はカンナでしゃくっていたそうですが、機械であっという間にしゃくられていきます。何十枚もあったのが、あっという間に完了。角をカンナで落とす細かな配慮。とても丁寧な仕事をして頂いております。
続いて、床板と上がり框の高さがぴったりくるように造作。
山形の二人の大工さんの息のあった作業で、あっという間に完成。
でも、二人の交わす言葉は私には意味不明(^^)
いよいよ、床板を張っていきます。板の表と裏の反りを確認しながら、ボンドを塗り、巨大なホチキスのタッカーでパシパシと打って固定していきます。
こういう機械ものって、見てるだけで楽しくなります。
次の板の取り付けを見てたら、端に棒を据えてネジを打ち込んでいます。
何の作業?と思ったら、板をピッタリそろえるため、添え木を充てて、
木ネジを絞めると、ギュギュっと、押さえられていきます。
さすが!!プロの技を今日も見させていただきました。
という作業を夕方まで行い、約3分の1の床板が張り終わりました。
杉板の床は、なんか道場のような感じで、裸足で歩くと気持ち良いです。
そうそう、六畳の部屋には掘りごたつがありました。古民家風のカフェなので、それも何かの時に上手く活用できないか?と思い、大工さんにお知恵を絞って頂いています。
大工さんの経験値
自宅の周りは小中学校に囲まれています。
夏休みに入ったのに、梅雨があけず、肌寒い7月22日(金)。
今日は天井の板を張り合わせていく作業が行われました。
下地の合板に杉板を張っていく作業ですが、合板になにやら黒い線が
引いてあります。
これは?と訪ねたところ、杉板がそのうち痩せてきたとき、隙間が見える
ようになるけど、下地に黒く色を塗っておけば目立たないため、とのこと。
なるほど、木が痩せたときのことを考慮し、予め施しているとは、なかなか
気づかないことです。
メーカー直の新築専門の大工さんは、支給された材を組み合わせていくので、こういう事はあまり気づかないんだけど、リフォーム大工は色んな現場で経験を積んでいるから、細かいところとか、将来どうなるかを予測しながら施工できるし、その分、単価も違うんだよね~と、一服中の会話。
言われた通りのことをするより、色んな現場でその都度異なる条件で試行錯誤しながら作り上げることができるのとでは、どの世界でも同じことですが、経験値に雲泥の差が生じ、結果仕事が回ってくることにつながります。
聞くところによると、大工さんは、左官屋、畳屋と共に、職人が減少しているそうで、20代の大工さんは全国で2000人しかいないとのこと。定年がないため、年金をもらってる現役の大工さんも多く、若い人のステージが広がらないのも原因の一つだろうと話していました。また、見習いになっても、長続きせず、鳶さんになったり、転職してしまうため、定着率も悪いそうです。クロス屋さんは半年もすれば一人前になって独立できるけど、大工は最低3~5年はかかり、その間に技術もさることながら、色んな仕事の段取りを覚え、効率よく、他の業者さんにも適切な指示を出せるようになってくるけど、そこまで頑張って耐える若者が少ないそうです。
段取りという話から、建前の棟上げで柱を組み合わせていくためにクレーンを使いますが、クレーン操作する業者さんの中には、クレーン操作する者には大工さんの下で1~2年弟子入りさせ、大工仕事の段取りを覚えさせてから、クレーン操作を任せるところもあるそうです。そうすることで、トラックに柱を積んで、降ろす時も、棟上げの順番通りにクレーンで降ろすことができるようになるからとのこと。思わず大きく頷いてしまいました。
さて、本日は四畳半と六畳間の天井に杉板を張り終えました。
次回は板を黒く塗り、釘を打ったところに桟を張りつけて天井は完成となります。
ドアがついて、思わず身震い
7月21日(木)、いよいよ薪カフェのドアの取り付けがはじましました。
25年間、毎日見てきた家の壁がサンダーで切り取られていきます。
設計当初、こんな狭いところにドアなんか付くのかと思っていたのですが。
ドアのサイズに合わせ、切れ目が入れられました。
ドアの内側も板を抜いていきます。
そして、取り外し。あっという間の作業でした。
家の壁って、こんなに簡単に切り取れるんですね。
しかし、25年間見てきた壁が無くなり、不思議な気分です。
とうとう、焼いた板を磨いた特製のドアが取り付けられました。
取り付けられた瞬間、薪カフェの現実味が増してきて思わず
身震いしてしまいました。
最大のメインイベント
7月20日(水)この日から、アリュメール山形の職人さんが一人加わり、三人で施工することに。山形県人が2人となり、会話が宇宙人語となりましたよと、アリュメールの社長Y氏(^^)今日は、いよいよ梁の取り付けとカウンターの設置です。
荷締め機でロープを締め付けて梁を上げ、柱と梁の刻み部分を合わせて大きな小槌の
掛矢でたたいて組み込んでいきます。
組み込んだ梁の端は、年輪が見えています。伐採した時の受け口の
斜め切の部分も残っています。
この太さ。なかなか壮観です。
続いて、クスノキのカウンターの取り付け。
板の端がカウンターの外側に決まるようにして取り付けました。
梁とカウンターが決まり、いよいよお店っぽくなってきました。
そして、出入り口用の特注ドアもいよいよ登場。
焼いた板を磨いた、古民家風のカフェに合う渋いドアです。
明日、いよいよドアが取り付けられるのでしょうか。
梁とカウンターが来た!
7月19日(火)
昨日、埼玉県ときがわ町で削り作業をしたヒノキの梁と
クスノキのカウンターが納入されました。
クスノキは良い感じで木目が入っていて、独特の香りを
漂わせています。
最初にクスノキのカウンターを道路側の窓から入れました。
カウンターの長さを決め、余りを切断。短く切ったら
後戻り出来ないので、慎重に検討していざ切断。
あたり一面、クスノキの香りが充満しました。
ここで、自分は用事があって外出したのですが、
施工業者さんのFacebookで、ヒノキの梁が重すぎて
2人では入れることができない~という泣きの記事が
アップされていました。
途方にくれている様子がわかります(^^)
それでも、何とか家のなかに入れられたようでした。
夕方、施工業者さんが帰った後に自分も家に戻って
みたら、太くて立派な梁が家の中にデンっと鎮座して
ました。
ノミで刻み加工を施したところで終了したようでした。
こういう職人技って、カッコよいなと思います。
連休にかけて
7月14日(木)は、家の前の道路工事で大工仕事はありませんでしたが、
大工さんたちは、梁とカウンターの銘木を探しに埼玉県ときがわ町に行って
探してくれました。カウンターはクスノキで、トラ目が入っていてとても
美しいとのこと。楽しみです。
7月15日(金)、天候がはっきりしない日でした。この日は部屋の
天井の下地板を張る作業と、分電盤の位置を決めて固定する作業
などを行いました。
16日(土)~海の日の18日までの3日間は大工仕事はお休みです。
7月18日(月・祝)、埼玉県吉見町で行っている里山保全とツリー
ハウスづくり活動に来ているメンバーなど、薪カフェづくりに関心の
ある方が、家にやってきました。
今後、薪カフェを開くにあたり、運営方法からメニュー、テーブルや
ソファーなどの内装器具の選定、PR活動など、色んなことを考えて
いかねばなりません。自分一人の知恵より、多くの知恵、色んな仕事を
している強みを活かすほうが、大変だけど面白いものが出来上がるのでは?
と思い、興味のある方とワークショップで色々なことを決めて作りあげて
いこうと考えています。今日のメンバーも、閉店した店舗の機器などを
リサイクルする仕事をしている方もいて、中古の厨房機器がもしかしたら、
破格な値段で手に入りそうな期待!
今日は、ワークショップ開催に向け、付き合いが深く、薪カフェに関心
あるという方と、ワークショップのキックオフミーティングを開催。
このカフェを開きたいと思った話から、今後のスケジュール
などの説明をした後、1階の現場を見て回り、あーでもない、
こーでもないと、内装やオープン後の活用方法などのイメージを
膨らませあいました。
ふと、Facebookを見ると、施工している方たちは、本日は梁と
カウンターを磨く作業をしているとアップしていました。
炎天下のなか、お疲れさまです。
とても楽しみです。
とても良い感じに仕上がってます。