塗り壁体験
朝方の地震で飛び起きました。津波の被害もなくてよかったです。
朝方まで降っていた雨も止み、今日は薪ストーブを設置する周辺の壁を仕上げるため、左官屋さんが来ました。
何で左官屋さんというのか、気になってたら、大工さんが「官」という名前が付くほどに、大工なんかよりよっぽど位の高い職だと言われ、ほー、なるほどと調べてみたら、大工はもちろんですが、飛鳥時代から壁塗りの仕事はあり、皇居には官職しか入れなかったので、壁を塗る職人は左官に、大工は右官に任命したそうです。右官という言葉が消えたのは、左は右より位が高いため、それを嫌ったからという説もあるそうです。
いずれにしても、「官」がついた職人仕事の名前が今の時代まで残っているほど、左官という仕事は日本の建築にはとても重要な職であることは間違いありません。
ということで、今日は薪ストーブを設置する周辺の壁の仕上げが行われました。
まずは木の部分にマスキングテープと、下地パネルの合わさったところにメッシュのテープを貼ります。パネルの合わさったところにメッシュのテープを貼らないと、仕上て乾燥したときに、その部分が陥没したり、ひび割れが起きてしまいます。
続いて下地塗り。左官屋さんはあっという間に仕上げていきます。
ほどなく下地が乾いたら、いよいよ漆喰を塗って仕上げていきます。
そこで、自分もぜひ塗らせて下さいとお願いし、漆喰塗りの1回目をやらせていただきました。
左官屋さんはいとも簡単に、ササーっと塗るのですが、これが意外と難しい。
べた付く漆喰を壁になるべく均等に塗るのですが、力の加減で厚くなったり。以前、塗り壁隊という、リフォーム物件の壁塗りボランティア活動に何度か参加ありましたが、しばらくぶりに鏝(こて)を持つと、あれれれ、思うように塗れないな~と、悪戦苦闘してしまいました。
何とか一面の漆喰の1回目を塗り終えて、仕上げはプロにバトンタッチ。
左官屋さんは一気にササーっと金鏝で均一に塗ったと思ったら、そこからプラスティックで柔らかい鏝に持ち替え、最終的に綺麗に仕上げていきました。
当たり前ですが、さすがです。ここでも職人の匠の技を見せて頂きました。
もう一つの部屋の壁は、今後、地域の方に呼びかけ、ワークショップを開催し、親子で壁塗り体験を行う予定です。
一方、右官の大工さんは、今日はトイレに通じる部屋のドアの付け替え作業。
今まで取り付けていたドアを外し、古民家風の木のドアに付け替えました。
このドアは、古民家風に天井と同じ色に仕上げます。白い漆喰と黒のコントラストが美しくなりそうです。
それはそうと、今時は水平と垂直を出すのはレーザーなんですね~。はるか昔に測量士補を取得した時から時間が止まっている自分でした。
時代は進化している!!当たり前か(^^;)
勤労感謝の明日も、左官屋さんは仕事に来るそうです。
細かな造作も始まりました
前回、製材もする大工さんと書きましたが、厚みの違っていた板を均一にした作業だったそうで、製材はしていません!とブログを書いた翌日に言われました。
考えてみたら、丸太から製材したら、乾燥するまで時間かかりますわね。林学科出身の自分として、恥ずかしい限り(^^;)
1965年11月19日、国立大蔵病院にて生を受け、この地でずっと暮らし、この度51歳となりました。1年があっという間です。ブログタイトル、変えようか。。。
さて、大きな大工仕事もほぼほぼ終了し、このところ細かな造作がはじまっています。
まずは、店舗入り口のドアの上に、古民家風の庇。
簾を入れ、焼杉板を3枚葺いてなんとも雰囲気を醸し出しています。
玄関を開けると、左手に下駄箱。計画当初は土足のお店を考えていましたが、元々の掘りごたつもあるし、古民家風だし、トイレ部分の廊下も現在のフローリングを使用するから土足だと痛みが激しいし、とか考えて、第2期工事の始まるときに計画変更し、靴は脱ぐスタイルのお店にすることにしました。
急きょ計画変更でしたが、図書用棚で用意していた板の余りで、棚式の下駄箱を作って頂きました。下駄箱の片方を塞いでしまうと、ただでさえ狭い部屋がより狭く感じてしまうので、棚にして向こう側も見えるようにしました。
厨房と客室との境は、保健所の決まりでスウィングドアを取り付けました。
昔のようなバタンと閉まる強いスプリング式ではなく、両方のドアの丁番を微妙な感覚で取り付ける方式で、とても軽く開いたり戻ったりするのですが、丁番の取り付け角度がとても微妙で、大工さんは何度も丁番の取り付け位置を変えながら、やっと上手く開け閉じできる位置を探りあてて取り付けていました。ご苦労様でした。
六畳間の部屋からトイレに繋がる境のドア部分も変更します。今まであったドアの敷居は畳の高さに合わせてあったので、取り外して部屋の床の高と合わせられました。
これで蹴躓くこともなく、段差を感じないで済みます。
明日は薪ストーブが置かれる側の壁塗りが始まる予定。いよいよ薪ストーブ設置も近づいてきました。
製材もする大工さん
毎日、様相が変化するのはワクワクします。
この2~3日で、外構の焼杉板張りは終わりました。
縦に張った板の木口を隠すため、飾り板を噴いています。今後、ネジのところは黒く
塗って目立たないように仕上げます。
厨房も、棚板を取り付け、キッチンパネルを張って、換気扇をつけました。
このキッチンパネル、ツルツルで油汚れでもサッと拭けてとても便利そうです。
六畳間の北側の壁面は、本棚を作り、自然や里山、旅に関する本など、薪カフェに合い
そうな本やホッとするような絵本を置く予定です。本棚の位置は仮置きですが、杉の丸
太を製材し、樹皮を剥いだ面を見せる棚で、こんな感じになります。
なんと、週末、材木屋さんに行って杉の丸太から、大工さん自ら
製材機を使い、板にしたとか。アリュメール山形 の代表で、本業は大工のS・Tさ
ん、大工仕事とは程遠いことまでやっちゃいます。
大工の基本が出来ていれば、色んな応用ができるんでしょうね。
音楽でも、ピアノの基本をキチッと出来るようになっていれば、他の楽器も割とすんな
り演奏できるようになると聞いたことがあります。
何事も基礎が大事ということを改めて実感した次第です。
天井、外壁が形づいてきました
工事再開2日目の11月8日から、急に寒くなりました。
この2日間で、厨房の壁の貼り付けや天井のビスを隠す竿縁の取り付け、
外壁の改修が進められました。
廊下部分は、以前あった収納扉を取り外して、今後板を張り付けて壁にします。
厨房の壁も下地板までできました。
天井は7月に張った板のビスを隠すため、竿縁を取り付けられました。
竿縁は黒く塗ってあるのですが、角を削って木の色を出しことにより、
締りのある天井となります。大工さんの感性が光っています。
薪カフェは、古民家をイメージしています。
そのため、外壁は、モルタルだったところに、焼いた杉板を張り合わせ、
外観も古民家風に仕上げていきます。
壁が黒くなると、とても家が引き締まって見えます。
一階部分の正面と南側の壁は、焼杉板を張り巡らす予定です。
まだ半分も張り終わってないですが、これだけでとても雰囲気が変わっています。
とても楽しみです。
薪カフェ二期工事、再開。
7月末に壁の下地まで作り、一旦終了した工事でしたが、その間、世田谷区の空き家等地域貢献事業のモデルに申請し、公開審査会で冷や汗をかいたものの、モデル事業に採択され、その後、正式に交付申請書類を作成して提出したところ、10月28日付で区長印が押された交付決定通知が届きました。
この通知が届いた後、今度は区役所にどこの施工業者で、工期はどれくらいかかるか、という業者決定通知書と契約書の写しを提出しないと工事の再開ができません。
施工業者さんと、10月29日付の契約書を取り交わし、本日、区役所に出向いて書類を提出してきました。役所は何かと書類の提出が多くて大変です。
さて、そういうことで、いよいよ今日から二期工事がスタートしました。
再開1日目は、厨房の天井貼りや床の嵩上げなどの改装と、7月に店舗部分の天井に張り付けた板の木ねじを隠すための竿縁の塗装などが行われました。
二期工事は暮れまでの予定です。今後、厨房機器なども入ってきてお店らしくなっていくことでしょう。その後、ぬり壁の体験ワークショップや、薪ストーブの魅力や里山の現状を考えるワークショップなども開催する予定です。
ブログも本日より再開です。どうぞよろしくお願いします。
世田谷らしい空き家・空き部屋等の地域貢献活用モデル 公開審査会
世田谷区では、区内にある空き家等(空き家、空き室、空き部屋)を地域資源として有効活用することで、地域コミュニティの活性化や再生を目指しています。
そこで、空き家、空き部屋等を活用し、地域課題の解決や地域にプラスアルファとなり価値の創造を生み出すことを応援する「空き家等の地域貢献活用企画」のモデル事業を毎年公募しています。
モデルに選ばれると、企画実現に向けた初期整備費用として、改修工事費等に1モデル最大200万円(耐震補強工事の場合はさらに100万円)まで助成金が交付されます。
空き家等地域貢献活用相談窓口|市民まちづくりの支援|トラストまちづくり事業|一般財団法人世田谷トラストまちづくり
今回、私たちが進める薪カフェプロジェクトでは、世田谷と里山の自然を守り育むとともに、新たな地域コミュニティの創出を図るカフェにしようと企画していることから、改装費の一部を軽減できることもあり、モデルに申請しました。
申請にあたり、6月頃から担当窓口の世田谷トラストまちづくりに伺い、職員との相談から始まり、申請書類の書き方のレクチャー、我が家が建築基準法に違反してないかといった現地調査、仮提出した申請書類の書き直しを何度か経て、応募締切日の8月17日に何とか提出しました。書類提出し、ほっと一息と思っていたら、9月11日に行われる公開審査会用のパワーポイントを8月中に作成し、一度チェックしたいと言われて、休む間もなくプレゼン用パワポを作り、8月末に窓口に持参してチェックされ、そこで指摘された修正箇所を直して何とか公開審査会まで準備を整えることができました。
そしていよいよ、9月11日の日曜日、申請されたモデル企画についての公開審査会が三軒茶屋のキャロットタワーにある、生活工房にて開催されました。
この助成金は最大600万円までの予算で、1団体200万円までと言っても、応募件数が多く、審査に受かった団体が多い場合折半ということ。情報では結構な団体数が申請の相談に来ていると聞いていたので、審査が受かっても200万円は厳しいかなと思っていたら、最終的に応募した団体は、自分のところを含め、2団体。世田谷区もモデル事業を進めたいだろうし、何度も窓口で相談し、担当者の感覚で審査が通るレベルまでは書類の完成度が上がったみたいだし、パワポもストーリー性もあるし、アニメーションをふんだんに、効果的に作っているから、視聴的にもインパクトはあるし、これはイケル!楽勝!と審査会が始めるまでは楽観していました。
公開審査が始まり、自分たちは2番目だったので、1番目の団体のプレゼンを聞いておりましたら、かなりパワーポイントも作りこんでいて、2名の方が交代しながら企画説明をし、しかも台本まで作って、審査委員や会場の参加者に語り掛ける演出もあり、今日まで何度もプレゼンのリハーサルを行ってきたんだろうと想像もされ、圧倒されてしまいました。企画内容もよく練られていて、プレゼン後の審査委員の質問も評価が高いなかでの質問でした。
一方、自分は台本も作ってないし、プレゼンのリハーサルもしてないし、、、。1番目の団体の企画内容からしたら、とても稚拙ではないか!!と、楽観していた状況から、こりゃマズい!と一気に余裕が消え失せ、自信もガラガラと崩れてしまいました。
そんな状態のなか、いよいよ自分たちの番が。2名の仲間が自分の後ろに立って応援して頂きましたが、狼狽しているため審査委員の堅い表情に圧倒されて緊張度がマックスに達していました。何とか笑顔を取り繕いつつ話をしていたら、予定時間の8分があっという間に来て最後は端折るようになってしまいました。
プレゼン後の審査委員の質問も、企画の具体性が見えないなど、厳しい質問が相次ぎ、しどろもどろに答えつつ、応援に立って頂いている仲間のフォローにも助けられ、何とか終了となりました。
ここで、1度休憩が入り、いよいよ公開審査の発表です。
審査基準は、「継続性」、「地域貢献度」、「モデル性」、「費用対効果」を見て評価されます。合格するには、4名の審査委員の過半数の票を得ることが条件です。昨年度までは5名の審査委員だったそうですが、今回は4名。同じ3票でも、昨年度より厳しさが増していました。
それぞれの評価基準について、団体ごとに各審査委員が講評されました。案の定、1組目の団体はどの基準も高評価。聞いていて、こりゃ落ちたなと諦めムードが漂っていましたが、自分たちの企画については、厳しいことも言われましたが、期待度はあると評価されているような気が少しだけしました。
さて、それぞれの評価が終わり、投票となりました。半ば諦めていたのですが、もしかしたらと、一縷の望みをかけ、心の中で拝んでいたら、1組目の団体はもちろんでしたが、自分たちも何とか満票を頂くことができました。会場にいた参加者も、きっと驚いたのではなかったでしょうか。
いや~、さすがに嬉しさが心の奥から湧き出してきました。
今日までの準備の苦労も報われました。
多分、地域コミュニティづくりのテーマとしては、1組目の団体もそうですが、「子育て」、「高齢者」、「介護」などといった福祉的な分野が多くを占めるなか、「環境」という今まで申請が無かったテーマが新鮮さと期待感を得ることに繋がったと思われます。
最後に、採択された各団体から一言今後の抱負を言って終了となりました。
はじめは自宅でカフェでも、という単純な発想だったところから、どうせやるなら、次世代を担う子どもたちに自然の大切さを教えたり、地域に密着してコミュニティづくりをしようという風に、どんどん発展し、いつの間にか世田谷区も期待している事業となってきました。
本当の意味では、これからが大変です。
気を引き締め、多くの人に期待して頂けるような運営をしていきたいと思います。
まずは、審査会で指摘されたことを再考し、実現化させていくところから始めます。
都市に緑を増やす
薪カフェは、都会で自然エネルギーでカーボンニュートラルな薪を使う暮らしを広めることで、里山を守ることを推進することと、地域のコミュニティを育むことを目的としています。
そこで、ガレージを改修し、そこにコミュニティ・ガーデンを作ることを計画しています。また、ガーデンを作ることにより、減少の一途をたどる世田谷の緑に対し、少しでも緑を増やす取り組みを進めていきたいと思っています。
改修は、左側のブロック塀を壊すのと、ガレージだったところのコンクリートをはがし、新しい土を入れ、お店の出入り口までに浸透性舗装材でアプローチを作ったら、コミュニティガーデンづくりに関心のある方を募集し、皆でコンセプトやデザインを考え、植栽していく予定です。
世田谷区では、緑を増やす施策として、ブロック塀を生垣に変えたり、新たに花壇を造成したり、木を植えたりしたとき、費用の一部を助成する制度があるので、今回のガーデづくりでも、花壇造成や木を植える際に助成してもらおうと考え、担当窓口に連絡しました。
早速、助成の条件に合致しているか、担当職員が我が家を調べにやってきました。
色々話を伺っていると、この助成制度は、1軒の家につき、生垣か花壇か、シンボルツリー、いずれか一つの造成しか助成できないということでした。しかも、助成は1度きりということ。自分としては、今回は花壇をつくり、シンボルツリーの木を植え、数年後、お金に余裕ができたらブロック塀を撤去して生垣に変えようと考えていたのですが、合わせ技は出来ず、一度きりしか助成しませんと言われてしまいました。
しかたなく、花壇造成か、シンボルツリーかどちらが得なんだろうと検討したのですが、シンボルツリーは高さ1.5m以上2.5m未満の木で12,000円まで、高さ2.5m以上の場合は24,000円までということですが、2.5m以上の木となると、植えた後の手入れに手間がかかるため、そんなに沢山は植えられないので、助成を受けても大した金額になりません。
一方、花壇の場合は、植えます縁石の造成費として1mあたり2,500円、植え込み地の造成費として1㎡6,000円以内、ブロック塀撤去は1mあたり5,000円を助成するということですが、今回は、左手のブロックを壊し、全体的に緑が見れるようにし、アプローチ以外は花壇にする予定なので、そこそこ助成を得られると思っていたら、ブロック塀部分の内側はすでに花壇になっているので不可、庇の下は対象外のため、2階のベランダ部分の張り出しが庇に該当するので不可と言われてしまいました。つまり、ガレージ全体の面積-アプローチの面積-ベランダ下部の面積=助成対象範囲ということで、計算すると助成金額はほんの少し。緑化助成制度の総額は25万円と聞いていたので、業者さんへの支払いの大きな助けになると思っていたのですが、まったく当てが外れてしまいました。
以前から、この助成制度の利用者は少なく、毎年予算が余っているということを知っていたのですが、今回、その理由がわかりました。今の制度では、緑を増やそうと思わせるインセンティブが全くありません。これっぽっちの助成金額で、しかも細かい条件があり、造成内容が違っても、助成は1軒につき1度きり。ブロックやフェンス、コンクリートのガレージにしていたほうが、メンテナンス費用も掛からないので、わざわざお金をかけて生垣や花壇に変えようとい気持は高まりません。本気で緑を増やす気があるのか?と疑いたくなってしまいます。
世田谷区は、区政100周年となる平成44年までに、区内のみどり率を33%までに増やす「世田谷みどり33」運動を推進しています。本気でみどりを増やしたいのなら、利用者が少ない理由を考え、制度を改定する努力に期待します。